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2月18日は冥王星の日!科学の進歩に翻弄された惑星って!?

水金地火木土天海冥~
もしくは水金地火木土天冥海~
なんて語呂合わせを習ったことのあるかたも
多いかもしれません。

これらは惑星の並び順を覚えるための
語呂合わせです。

ですが、この語呂合わせ、
現在では使えなくなってしまったことを
ご存知でしょうか?

これには10年ほど前のある出来事で
冥王星の立場が大きく変わったことが
関係しています。

今回は太陽系の一番端っこの元・惑星
冥王星とその記念日
スポットを当てていきます!

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冥王星の日の由来

それではさっそく、
冥王星の日由来から見ていきましょう。

これは、冥王星が
2月18日に発見されたことに
由来しています。

発見したのはアメリカ人の
クライド・トンボーさん。

1930年2月18日のことでした。

ですが、実はこのほかにも
冥王星の日が存在しています。

1月23日3月13日です。

なんで3つも冥王星の日があるの?
と思われるでしょうが、
これにもちゃんと理由があります。

 

まずは1月23日の方。

こちらは
「冥王星を発見した写真が撮影された日
として記念日になっています。

当時の天文学者は、
観測条件の良いよく晴れた日に
たくさん観測写真を撮って、
条件の良くない日に
まとめて分類・分析する
というサイクルを送っていたようです。

そのため、決定的な写真が撮影されたのが
1月23日。

分析の結果、冥王星を発見したのが
2月18日なんですね。

そして3月13日
「冥王星の発見が報告された日」。

ただし、最後の3月13日の記念日だけは
アメリカのイリノイ州ニューメキシコ州
独自に制定しているものです。

それぞれトンボーさんの生まれた州、
トンボーさんが後半生を過ごした州で
冥王星に縁があるのですが、
それ以上にどうしても譲れない理由が
この2州にはあったようです。

それは2006年のあの出来事が
きっかけでした・・・

 

冥王星が惑星じゃなくなった日

2006年のある日、
衝撃的なニュースが流れました。

「プラハで開催されていた
国際天文学連合の総会において、
冥王星は惑星から除外される模様。」

な、なんだってー!

と多くの人が思ったことでしょう。
筆者もひっくり返って驚きました。

だって、小学校以来、
ずーっと慣れ親しんでいた
太陽系の第9惑星
いきなり惑星じゃなくなったのですから。

当時のネット界隈の動揺もかなり大きく、
「いきなり降格なんてひどい!」
「冥王星いじめだ!」
などなど、いろんな意見が飛び交いました。

さて、2006年になぜ冥王星が
惑星から降格されたかといいますと、
主な理由は冥王星に類似の惑星っぽい星
大量に見つかったからなんです。

もともと冥王星自体、
発見当初からほかの惑星とは
ずいぶん異なる振る舞いをすることから
本当に惑星でいいの?
という意見もあったのです。

例えば最初にも書いた
水金地火木土天海冥と
水金地火木土天冥海。

これは冥王星の軌道が歪んでいて
時期によっては海王星の内側に
入り込んでいたりすることに由来します。

軌道が他の惑星に比べて歪み過ぎじゃない?
ということはみつかった当初から
言われていました。

また、発見当初は地球ぐらいの質量と
考えられていた冥王星ですが、
調べが進むにつれて、月よりも軽く小さい
天体であることがわかってしまいました。

大きさで比較すると
地球の直径12,756km
月の直径3,474km
冥王星の直径2,370km
となります。

冥王星めちゃくちゃちっさいやん・・・

さらに決定的だったのが2000年代に入って
次々と発見された新しい天体たち。

科学技術の向上によって太陽系の端っこまで
観測可能になったことにより、
いままで見つかっていなかった大型の天体が
次々と発見されました。

これらを総称して太陽系外縁天体
(たいようけいがいえんてんたい)
と呼びます。

太陽系の外の縁(ふち)にいる天体、
ということですね。

これらが次々と発見されてくうちに、
科学者の間にある不信感が高まりました。

「冥王星も太陽系外縁天体なんじゃね?」

下の画像は
太陽系外縁天体のおおきさを比べた
写真になります。

上の段、真ん中が
冥王星(Pluto)なんですが、
他と比べてもたしかに大差ないですね。

そして、2005年に上の段左側の
エリス “Xena”(2003 UB313)
が発見されてしまったことで状況は確定的に
なりました。

つまり、多くの天文学者が
冥王星も太陽系外縁天体の一つだよね
と認めてしまったのです。

そのため、2006年の国際天文学連合の総会で
冥王星を惑星から除外することが
決まったのでした・・・

ちなみに冥王星は現在、新設された
準惑星(じゅんわくせい)
というカテゴリーで
エリスと仲良くやってます。

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冥王星の降格に対する波紋

冥王星はアメリカ
特に人気のある惑星でした。

発見者がアメリカ人ということで、
アメリカが発見した唯一の惑星
と誇りを持っていたのです。

ディズニーアニメに
プルートという犬のキャラがいますが、
これも冥王星の英語名プルートに
ちなんでいるからなんだそうです。

そんなこともあり、冥王星の準惑星降格
アメリカ人にとって許しがたかったらしく、
イリノイ州とニューメキシコ州は独自に
冥王星の日を3月13日に制定。

「冥王星がこの2州の上空にいる間は、
冥王星を惑星と扱う」
という法律まで決議してしまったようです。

なお、軌道の関係で
「イリノイ州とニューメキシコ州の上空を
冥王星が通ることは絶対ない」
のだそう。

・・・ご愁傷様です。

 

また「宇宙戦艦ヤマト」や「銀河鉄道999」
などの作品で冥王星をあつかったことのある
漫画家の松本零士さんは

「理論的には正しいが、人々が持つ宇宙への
夢に対する配慮に欠けた決定である」
といった趣旨のコメントを残したそうです。

たしかにいきなり冥王星が惑星でなくなり、
ショックだった人も多かったことでしょう。

また、SF作家の野尻抱介さんは、
「理性が最良の選択をしたということだろう
一抹の寂しさは感じるものの、
科学は自分自身を書き換えることが出来る
世界に示せたことには意義がある」
とコメント。

こちらは
科学の可能性に言及したコメントでした。

 

2月18日は冥王星の日!まとめ

2月18日冥王星の日
・理由はこの日に冥王星が発見されたから!
・冥王星は現在準惑星
惑星降格にはいろいろな意見があった

冥王星が惑星として発見されてから
およそ80年。

冥王星が準惑星に降格されてから
およそ10年。

冥王星を巡って
いろいろな議論が巻き起こりましたが、
これも科学が健全に発展してきた証拠

時代が進めば科学も進歩し、
技術も向上します。

そのため、いままで慣れ親しんでいたものが
くつがえされてしまうこともままあります。

たしかに少しの寂しさは感じますが、
それとともに、新たな発見の興奮を
もたらしてくれることもまた事実。

2014年には冥王星とは全く異なる、
9番目の惑星らしきものが発見された
かもしれないと話題になっています。

宇宙への興味は尽きませんね。

2月18日は科学の進歩に翻弄され、
宇宙の面白さを見せてくれた冥王星について
思いをはせてみてはいかがでしょうか?

 - 2月